脱ぶら下がり奮闘記

ゆるふわな感じの暇つぶしです。

「帰る場所」と「行く場所」があることを知った8日間の旅

先日、社会人になって初めて長めの休みを頂いて8日間の旅に行ってきました。

 

行先はアフリカの北西部にあるモロッコサハラ砂漠アトラス山脈といった豊かな自然と個々に強烈な特色を持つ街を抱える、アラブとヨーロッパの文化が融合した独特な空気感が流れる国でした。

 

青い建物とお洒落な雑貨と猫で溢れる山岳地帯の街~シャウエン~

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地図なしで踏み込んだらまず出てこれない巨大迷宮~フェズ~

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世界最大の砂漠~サハラ~

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アトラス山脈南部の街~ワルザザード~

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世界遺産の城砦~アイト・ベン・ハドゥ~

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イヴ・サンローランが愛した庭園~マジョレル庭園~

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マラケシュのナイトマーケット~ジャマエルフナ広場

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ロッコは古い建物がそのまま残っている街も多く、行く場所それぞれで昔そこにいた人が過ごしてきた歴史と文化を感じることができます。

 

今回は1つの街にゆっくり滞在することはできませんでしたが、多分朝と夜で別の顔を持つんだろうなーというエリアもあって(寒暖差が激しい砂漠地帯や夜になるとお祭り騒ぎが始まるマラケシュ)同じ場所に旅した人たちでも行った時間によって異なる感想が聞けるかもしれません。

 

ちなみにネットの情報と一番ギャップを感じたのはマラケシュ。引ったくり・ぼったくりが横行してる治安悪い場所というイメージでしたが、実際売店の売り込みは思ったより控えめだったし、シャウエンやフェズでは間違いなく3倍以上の値段でふっかけられるのに良心的な価格で販売してくれるし(しかも交渉次第でディスカウント可)、商品を買ってくれた観光客に「ちゃんとバッグ閉めとけよ」と盗難防止アドバイスまでしてくれる親切な人がいました。

※そうは言ってもこれは僕が経験した一部でしかないので、今後行かれる方は十分注意してください。

   

旅行初心者は変なことでキョドる

長期休暇はさることながら、旅行経験すらあまり多くない人生を過ごしてきてしまったので出発の直前までキョドってました。

 

なぜ旅行経験があまりないかと言うと9歳で野球を始めた時から今年母校のラクロス部のコーチを辞めるまでの21年間、ほとんどまとまった休みを取ったことが無いからです。仮にまとまった休みがあったとしても自主練やバイトに費やしてきたので、旅行に行くという選択肢すら頭にありませんでした。

 

長い休みを取って日常から離れ、その期間自分にとってまったくの非日常が広がるアフリカ大陸に身を置いて色んな街を巡る。そこで見たもの、感じたことによって今まで自分の中にあった何かが少しでも変わるんじゃないか。

 

大袈裟かもしれませんがそんなことに期待してしまう自分がいたり、一方で不安になってしまう自分もいたり。何かと影響されやすい自分の性格からして、例えば異国の地で見た光景に魅了されてしまい「俺はここで暮らすんだ!」と思い立って移住を決意してしまうんじゃないかとか、人々の暮らしぶりを見て「俺もこんなライフスタイルが良い!」とか言って帰国後に謎な行動を取るんじゃないかとか、以前グランドキャニオンに行った時のような不思議な閃きが全身を貫いて色んなことにアグレッシブに挑戦できるようになるんじゃないかとか。

 

旅慣れしてる人からしたら何言ってんだコイツと思われるようなことでも自分にとっては割とでかいイベントなもんで、今振り返ると出国前のキョドリ原因はこの期待と不安の入り混じった感情から来てたんだなと思います。

 

「帰る場所」と「行く場所」

日本から離れて日常生活とは全然違う行動ばかりしていく中で、自分にとって「帰る場所」があったことに気づかされます。

 

「場所」とは物理的な空間のことではなく、今まで生きてきて無意識に自分を自分たらしめていた行動、習慣、食べ物、人との繋がりのことを指します。まだボヤっとしか言語化できていませんが「自分の価値観を形成している要素が詰まった生活」をイメージしてもらうと少しだけ伝わるかもしれません。

 

「帰る場所」があるという気づきと、「帰る場所」を構成している要素。これらは非日常空間に身を置くからこそ際立って見えてくるものだと思います。そして今の自分に足りないものを埋めるためだったり、そこに行けば欲しているものがあるかもしれないという期待を持って向かうところが「行く場所」です。

 

期待通りの非日常を味わうために行く場所もあれば、どんなインスピレーションが得られるかわからないけど異様にそそられる何かがあって出向く場所もあると思います。自分にとって今回のモロッコは後者でした。モロッコにもう一度「行く」ことはあっても「ここに帰ってきた」と感じることは無いだろうと思っていて、それは居心地が悪いという意味ではなく、あくまで自分にとって今持ち合わせていない何かを埋めるために「行く場所」なんだろうという感覚です。

 

帰国した今思うことは、自分にとって「帰る場所」が何なのか見えた後でもずっとそこに留まってしまうと今度は変化が少なすぎて退屈になってしまったり、一度見えていたものが見えなくなってしまうかもしれないなーということです。

 

きっとそうなる前にまたどこかに「行く」気がしますが、その時の自分が何を求めてどこに行くのかは未知なので未来の自分に託すことにします。