脱ぶら下がり奮闘記

ゆるふわな感じの暇つぶしです。

生存戦略とカルチャー

ベンチャー界隈では」なのか、会社内のカルチャー(文化)形成に力を入れている企業は多い。かくいう弊社の親会社はその中でも特徴的なカルチャーを有しており、転職してきたばかりの頃は独特の風習に驚かされた場面も多々あった。これは僕だけでなく、転職組と話してるとよくそういう話は聞く。

 

カルチャーとは何か。今回はカルチャーの正体を自分なりに言語化して、色々思ってることを自由に書いてみようと思う。

 

さて、いきなり結論を書くと、カルチャーとは同調圧力の一種であり、他にもマナーや“場の空気を読む”などがこれにあたるというのが僕の考えである。

 

同調圧力 - Wikipedia

同調圧力(どうちょうあつりょく Peer pressure)とは、地域共同体職場などある特定のピアグループPeer group )において意思決定を行う際に、少数意見を有する者に対して暗黙のうちに多数意見に合わせることを強制することを指す。

 

“空気を読む”については水野敬也さんが過去に著書「LOVE理論」の中で解明しており、空気とは「その場を支配するキーマンの気分」である、と定義した話は結構有名。

 

同調圧力の様な“空気感”はどこでも発生していて、人は簡単にその空間と周りの人から影響を受けて行動する。その証拠に渋谷のハロウィンでバカ騒ぎして平気でポイ捨てしまくる人でもディズニーランドに行けばそう易々とポイ捨てできまい。つまりそういうことだ。

 

同調圧力と書いてしまうと何やら悪いものと捉えられがちだが、その場における“空気感”程度のニュアンスで受け取ってもらえれば良い。少なくとも僕はそういう意味でこの言葉を使っている。

 

僕らはその場(建物など、空間)からも影響を受けるし、そこにいる人たちによっても影響を受けている。この前、とある打ち上げで社内のメンバーと六本木のあるお店に行ったわけだけど、到底あの場で騒いだりアホみたいなことはできないし、それは空間と、いる人の雰囲気でそうさせてるんだなーと思った。

 

窓から入ってくる光の加減から感じる解放感、部屋全体を流れている風、ピアノの演奏、装飾品の色、部屋全体を包み込むバラの香りなど、少し意識するだけで五感が様々な情報を感じ取ってその場に相応しい振る舞いにさせてくれた。もちろん良い意味でだけど、こういう現象は「空間の圧力を受けている」といって差し支えないと思う。

 

会社のカルチャーとは、その空間と影響力の強い人たち(多くの場合は昔からいて役職ある人たち)によって形成された同調圧力であり、恐らくは会社が過去何かしら壁を超えたい時に行動指針となるような言葉をクリードやらクレドといった言葉で定義したり、評価制度とセットで社内にその空気感を浸透させていっているところが多いのではないか。

 

この様に今抱えている課題感や、今後目の前に現われるであろう壁を乗り越えるために、その空間にいる人たちの価値観をアップデートする意味でカルチャーを操ることができるというのは、組織の生存戦略として正しいように思える。度合は異なるけど「仮想敵」を作って民意を操る政策だって似た側面を持っているからね。

 

大事なのは価値観をどうアップデートしていくか。その当時、最善だと思ってみんなで頑張って作った空気感を新しくするのは、ともすると過去を否定することになるんじゃないか。そういう不安に駆られる人は少なくないと思う。

 

その辺に対して思うことはまた近々書いてみよう。今日はこの辺で。